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タグ:森林簿

前回紹介した林小班図と森林簿の結合で膨大なデータをQGISに取り込むことが出来ました。
このデータをどう利用していくのか?いくつか例を挙げて聞きたいと思います。

スクリーンショット 2022-02-04 164516
この図は小班を林齢ごとに色分けして林班と小班をラベルに設定したた物です。
やり方は「QGIS見た目を変えてみましょう。」で紹介していますので参考にしてください。
設定したところは次の通りです。
スクリーンショット 2022-02-04 161342
スクリーンショット 2022-02-04 161415
林齢が高いほど濃い緑で表示されています。

それではデータを絞り込んでみましょう。
森林簿上で樹種スギ林齢100年を超える小班のリストを抽出します。

森林簿の属性テーブルを開きます。
スクリーンショット 2022-02-04 161550
左下の選択(コンボックス)から詳細フィルタ(式)を選択します。

スクリーンショット 2022-02-04 162018

式を入力します。
QGISでは条件を指定する場合にはダイヤログではなく式を記述して抽出をします。この方法は慣れるまでは少し面倒ですが汎用性が非常に高い方法です。一見してプログラミングの様で敷居が高いように感じますがやってみるとそれほど難しくはありません。ラベルの書式とも共通するところが多いので是非習得して頂きたいです。
式の書き方は「QGIS 式」などで検索すると沢山出てきます。

今回の式を簡単に説明しておきましょう。
”EX_樹種" → 結合した森林簿フィールド名(樹種)の事です。
 ※"(ダブルクォーテーション)でくくってフィールド名を表現しています。

= 'スギ' → EX_樹種フィールドのなかでスギと一致するもの。
 ※=は値が一致する、'(シングルクオーテーション)でくくったものは値になります。

and → かつの事です。(AかつBのかつ)
 ※この場合EX_樹種の値がスギでありさらにand以降の式に一致するもの。

"EX_林齢" > 100 → EX_林齢100を超える。
 ※このとき100は含みません100以上を指定したいときは>=と記述します。

スクリーンショット 2022-02-04 162518
図のように目的のデータを絞り込めました。

ここから地物を指定するためには行番号をクリックするとで地物を選択する事が出来ます(後でその方法を説明します)。また、CTRLキーやSHIFTキーを使って複数の地物を選択することも出来ます。

今度は絞り込みと同時に地物を選択してみましょう。

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式による地物の選択アイコンから同じようにを設定します。
今回は100年以上となるように設定しました。

スクリーンショット 2022-02-04 163117
リストが抽出されるとともに地物も選択され黄色で表示されました。

スクリーンショット 2022-02-04 163251
全レイヤの選択を解除アイコンで選択した地物を解除します。

次によくあるシチュエーションで林班と小班で場所を検索してみましょう。
スクリーンショット 2022-02-04 163545
64林班の小班33を検索します。

スクリーンショット 2022-02-04 163659
抽出されました。

スクリーンショット 2022-02-04 163756
ここで行番号をクリックすると地物の選択が出来ます。

しかし、普通は画面上にありませんので次の方法で一気に該当の地物を呼び出します。
スクリーンショット 2022-02-04 163858
右クリック地物にズーム

スクリーンショット 2022-02-04 164040

下の欄に計算式が残っていますね、ここを書き換えるだけで別の場所を検索することも出来ます。

今回も林小班図森林簿を利用できる方向けの記事です。
とりあえずQGISに林小班図を読み込みます。
スクリーンショット 2022-01-30 112512
小班図というグループを作りました。
林小班図の入ったシェープファイルをマップ上にドラッグアンドドロップで追加します。
スクリーンショット 2022-01-30 114325
レイヤプロパティ属性を確認してみると項目がコレだけしかありません。樹種住所所有者の情報も調べたいところです。その情報は森林簿にありますので、ここに統合してしまえば飛躍的に使い勝手が良くなります。

それでは次に森林簿を読み込みましょう。
スクリーンショット 2022-01-30 112743
同じくドラッグアンドドロップで読み込みます。CSVでもエクセルでもどちらでも大丈夫です。
オリジナルの森林簿はそっとしておきたいので前回エクセルで保存した森林簿を使います。

スクリーンショット 2022-01-30 131030
両方のファイルをレイヤとして読み込んだら分かりやすい名前に変更しておきましょう
ココではそれぞれブログ用森林簿ブログ用小班図としました。
※F2キーで名前を変更するのが最も簡単です。

いよいよ統合の手順です。
スクリーンショット 2022-01-30 115106
ブログ用小班図レイヤ右クリックプロパティを表示したら、左端のアイコンから統合を編集を選択します。
下の+マークをクリックするとベクタ結合を追加の画面になりますので次のように設定しましょう。
①では統合する相手のレイヤ名を選択(森林簿のレイヤ)
②③ではKEYCODEを選択します。
 KEYCODEが紐づけするためのキーになります(ここでは林小班図のKEYCODEと同じ内容をもつデータを森林簿から探し出してその情報を統合します。)ので両方の属性テーブルKEYCODEが存在していなければなりません。もしもKEYCODEかそれに相当するものが無ければフィールド計算機で作成する必要があります。
森林簿には必要のない項目も沢山ありますのでを入れてその下の窓で必要な項目だけにを入れましょう。
⑤にを入れて⑥にEX_と入力しました。追加される項目が分かりやすくなるように項目名の先頭にEX_を追加するという事です。これを行わずに既定のままだとブログ用森林簿_とレイヤー名がそのまま入ってしまいます。すると追加された項目名すべてがブログ用森林簿_***となり項目名が長すぎて扱いずらい表になってしまいます。いっそのことEX_よりも_だけでも良いぐらいです。

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このように1つの結合が出来ました。

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属性を確認すると緑の部分が結合により追加された項目です。
EX_***という項目名になっていますね。

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これによっていろいろな分析が出来ます。
この図は樹種ごとに塗り分けた例です。
 ※やり方は「見た目を変えてみましょう」を参照

分析の例としては所有者ごとなどに色分けするとか、樹種や林齢・保安林など条件を指定して絞り込むなど様々な利用価値が出てきます。

ただし、注意しなければいけない事があります。
林小班図の場合1小班につき1つのKEYCODEとなっていますが、森林簿には1小班に複数のデータ(KEYCODE)が存在していますので森林簿全てのデータを統合したわけではありません。詳細は森林簿を確認する必要があります。
スクリーンショット 2022-01-30 113148

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