PCを林業に生かすブログ

2021年11月

 前回までのマップを見て、これでは見づらいと思いませんか?
ポリゴンが塗りつぶされて背景地図の様子が分りません。レイヤの☑をいちいち切り替えてみるのも不便です。今回はマップの見た目を変えて分析しやすい画面を作ってみましょう。
見た目1

 レイヤを右クリックしてプロパティを選択します。
見た目2

 レイヤのプロパティで左の3つ目のタグ シンボロジーを調整を選択し、シンプル塗りつぶしブラシなしと選択してOKをクリックです。


見た目3

 塗りつぶしが無くなって背景のレイヤが見えました。しかし黒い枠線は視覚的にイマイチなので変更してみましょう。


見た目5見た目6


 今度はストロークの色 ストロークの幅2.0 ポイント(Points)に指定してみます。


見た目61

 だいぶ見やすくなりましたね、この辺は自由に変更してみて好きなスタイルで表示してみてください。気に入ったスタイルが出来たらシンボルの保存で使いまわすこともできます。

 次はこの地物たちにラベルを表示してさらに見やすくしてみます。

見た目7

 今度はプロパティの4つ目のタグ ラベルを選択し単一定義を設定します。

見た目71

 現場名を選択してください。

見た目8

 地物に現場名が表示されました、好きなフィールドを選ぶこともできますし文字の色や大きさ場所も設定できるのでいろいろ試してみてください。

 表示できるのは1つのフィールドだけではありません、次に面積も一緒に表示させてみましょう。
現場名を指定した値の一番右に[ε]のボタンがあるのでクリックします。
見た目12
 を書いていきます、キーボードで入力しても同じですが、真ん中の列からフィールドと値フィールド名が入っているのでそれをダブルクリックすると"(ダブルクォーテーション)で囲まれてに入力されます(図の緑の線)下の段の演算子シングルクリックで入力できます(図の赤い線)。
 式の中の || (キーボードのShift + ¥を2回)は文字データをつなぐときに使う演算子です。
 また、'\n'改行演算子です。
 最後の'ha'のように'(シングルクォーテーション)で囲まれた文字はそのまま表示されます。任意の文字列を表示させることができるという事です。
見た目13

 あとは自分好みにカスタマイズしてみたり背景地図を切り替えてみたりこれまでやってみたことをいろいろ試してみましょう。

 ここまでが私がレイヤを作った時に行う一連の作業です。慣れてくると色々なところで省力化できるので簡単に見た目を変えることができますよ。

 前回までで地物と属性テーブルの関係を少し分かってもらえたかと思います。
属性テーブルについて、もっと情報を増やしたら活用の幅が広がってきますよね。
とりあえず1つ項目を増やしてみましょう。

 まずは、レイヤーが編集モードになっていることを確認してください。なっていなかったら鉛筆マークで編集モードに切り替えてください。

新規フィールド1
 図のように新規フィールドアイコンをクリックします。
新規フィールド2
 フィールドを追加の画面が出てきたら図のように名前(A)樹種1タイプテキスト(string)を選択長さ10を指定してOKをクリックします。

新規フィールド3
 項目(フィールド)が追加されますので、Excelと同じ要領でデータを適当に入れてください。
 この方法で好きなデータ項目を作ることができます。例えば作業年度とか地区・開始年月日・終了年月日などなど・・・です。
 項目によってタイプを使い分けましょう、それによって入力しやすくなったり検索のときに役立ちます。特に数値とテキストですが、数値であれば100以上などと数値として扱えますがテキストではただの文字になって数値としては使えないことがあります。また、番地などは整数でよさそうですがー(ハイフン)・甲・乙などが混じるとテキストを使うことになります。

 項目(フィールド)を追加する方法としてフィールド計算機があります。まぁフィールド計算機自体は既存のフィールドで使うこともできますので、ここではフィールドを追加する方法の1つとして紹介します。
 説明は後にしてとにかくやってみましょう。

 フィールド計算機1
 このアイコンをクリックします。

フィールド計算機2
 図のように新規フィールドフィールド名面積 フィールド型小数点付き数値(real) フィールド長10 精度には3を入力します。※精度は小数点以下の桁数です。
 そして式に$area / 10000と入力します。この式では$areaで面積(㎡)を計算してくれます、10000で割ることでヘクタールに直しています。

フィールド計算機3

 こんな結果になりました、図面上で地物の面積を知ることが出来ましたね、しかも一括で出来ました。
 あとで出てくることになると思いますが、QGISでは地物の形を変えることができます、合成したり分割することも空洞を開けることもできます。そうなると当然面積も変化しますよね、しかし今計算した面積の数値は今のままです。地物の大きさ(線の場合は長さ)を変えたら再計算しなければなりません。その時は新規フィールドではなく既存のフィールドに☑を入れてフィールド名を選択してください。これを忘れていると間違った面積のままです、言い換えればしっかり面積を知りたいのであれば再計算して確かめることも大事です。

 前回作ったレイヤには地物と属性テーブル(表)がありました。属性テーブルに含まれるデータを属性データと言います。
 あるのは分かっていますが、どのように紐づいているかが分からないとデータとして使えません。

 それを確認してみましょう。まずは1つ目の方法です。
 画面上にある属性テーブルをいったん閉じましょう。普通にで閉じることができます。

 地物情報の表示1
 図のアイコン地物情報表示をクリックすると、アイコンが選択された状態になりマウスカーソルが矢印にiが付いたものに変ります。
 この状態で地物を1個クリックしてみましょう。
地物情報の表示2

 右側にデータが表示されました。他の地物をクリックするとそのデータが表示されます。
 「この地物って何?」と思った時に使える機能です。

 元に戻しましょう、地物情報のパネルで簡単に消すことができます。マウスカーソルは✋のアイコン(地図を移動)をクリックすると元通りになります。

 次は属性テーブルを使って地物属性データの関係を見ていきましょう。
その前にアイコンの有無をチェックします。
選択ツールバー
 選択ツールバーです。もしこれが無いようであればヘルプ(H)の右辺りを右クリックして選択ツールバーに✅を入れてください。それで表示されるはずです。

 それではもう一度属性テーブルを表示させて地物と両方が見える様に配置してください。
地物情報の表示3
 こんな感じです。

 そして、属性テーブルの中で一番左に行番号がありますよね、この1をクリックしてみてください。
地物情報の表示4
 地物とデータの両方が選択されました。
 続いてキーボードのCTRLを押しながら3をクリックしてみましょう。すると1行目と3行目のデータそして地物が選択されましたね。
 選択されたデータを元に戻しましょう。
 先程の選択ツールバーの左から3番目全レイヤの選択を解除をクリックすると元に戻ります。

 今度は逆に地物から選択してみましょう。
地物情報の表示5
 図のように▼をクリックすると地物をどのように選択するかを選べます。今回は地物を選択を使ってみましょう。
 要領は同じで地物をクリックすると選択できますしCTRLを押しながらクリックすると複数選択できます。
 あれ?ひょっとして選択は出来たけど属性テーブルが消えてしまいましたか?もしそうであれば属性テーブルアイコンをクリックするのではなくWindowsのタスクバーから再表示しましょう。アイコンをクリックすると属性テーブルのパネルがどんどん増えてしまいますので注意しましょう

 これで、地物と属性データのどちらからでも選択して紐づけを確認する事が出来ました。選択にはその他に削除やコピーする場合などに使える便利な機能です。ポリゴンによる地物選択フリーハンドによる地物選択円による地物選択も試してみてください。









 それでは、前回作ったレイヤに地物を追加していきましょう。
レイヤパネルの中から地物を追加するレイヤを選択します。
続いて、図の1で示した鉛筆マーク編集モード切替)をクリックします。すると図の2の部分に鉛筆マークが付きます。これでレイヤが編集可能になります。
 つまり通常レイヤはロックされていて編集できません。編集モード切替でレイヤの横に鉛筆マークがついている状態で変更を加えることになります。
 ※鉛筆マークがのアイコンが無いよ!という方はグレーの部分(プロジェクト(J)の左のあたりかヘルプ(H)の右のあたり)などを右クリックして出てきた画面の中からデジタイジングツールバーに☑を入れてください。


レイヤを作るその2-1
 次に図の3ポリゴン地物を追加をクリックします。

 すると、地図上のマウスカーソルがターゲットマークになります。この状態で地図を動かすにはマウスのホイールでズーム、キーボードの矢印で移動できます。要所要所でクリックすると地物が絵描かれていきます、そして右クリックで終了します。
 レイヤを作るその2-2
        図のように描いていき、右クリックでベタ塗状態になります。

レイヤを作るその2-3
 
こんな画面が出てきます。一部文字化けになっていますが今は気にせずに進みましょう。
全部文字化けだと問題なので対策が必要です。
 各項目に適当なデータを入力してOKをクリックで地物を1つ作ることができます。この時、小班林班整数(表示上はInteger)を指定したので整数しか入力できませんので注意しましょう。
 これで1個の地物とそのデータが出来ました。出来た地物の色はあまり気にしないでください。
 同じ手順で複数の地物を作ってみましょう。私は4つ作ってみました。
レイヤを作るその2-4

 地物は画面上にありますが、入力したデータはどこに行ってしまったんでしょう?それを見るために属性テーブルを開くをクリックしてみましょう。
属性テーブルを開く

 画面上のこのアイコンです。フォーカスすると属性テーブルを開く(F6)とコメントが出てきますよね。つまりF6を押しても同じです。
属性テーブルパネル
 こんな画面が出てきますね。先ほど入力したデータです。

 とりあえずポリゴンのレイヤーが出来ました。次回からはこのレイヤーのアレンジと利用法を説明します。



 今までのレイヤはインターネットから取り込んで作りました。その中でも背景地図に使ったものはオンラインで直接外部の地図を参照するという特殊なレイヤです。森林地域データはダウンロードしてPCのローカルドライブに保存して作りましたね。次は自分でレイヤを作ってみましょう。
 レイヤには通常それに対応したファイルが必要になります。つまりレイヤを作るとそれに対応したいくつかのファイルもできます。
 これらのファイルはしっかり管理する必要があります。あちらこちらにファイルを作成してしまうと管理が大変になってしまいます。誤って必要なファイルまで消してしまうとQGISで読み込めなくなってしまいますから大変です。
 逆にファイルさえ残っていればほかのプロジェクトに取り込むことも、他人に渡すことも簡単にできます。

 あらら、前置きが長くなりました。でも、今回は少し説明が続きます。

 作成するレイヤはシェープファイルというタイプのレイヤを作ります。森林地域データの時と同じですね。
 レイヤに新しいグループを追加しましょう。私は練習用と名付けました。
このグループを選択して反転している状態にします。

 レイヤを作る1
 レイヤ(L)レイヤを作成新規シェープレイヤと選択する。

レイヤを作る3
 新規シェープファイルレイヤが出てきたら。
 ファイル名を入力するのですが、一番右の[・・・]をクリックしてデータを保存するフォルダを選択してからファイル名を入力してください。最初に説明した通りここは大事です
 次に選ぶのはジオメトリタイプポリゴンを選択します。
ポリゴンは面(多角形)で図形を作ります。作った図形を地物と呼びます。ポリゴンの他に使うのはマルチポイント(点)ラインストリング(線)でしょう。

レイヤを作る2
 その下の新フィールドを設定していきます。これは、地物に紐づけするデータをの項目を設定するための物です。ピンと来なくても後で説明しますから大丈夫です。
 まずは名称現場名と入力、タイプはテキストデータ、長さは20として[フィールドリストに追加]をクリックします。
 下のフィールドリストの中に1行追加されたはずです。

レイヤを作る4

 つづけて、つぎのフィールドも追加しましょう。
  名称:山林所有者 タイプ:テキストデータ 長さ:20
  名称:林班 タイプ:整数 長さ:4
  名称:小班 タイプ:整数 長さ:4
 上の図のようになったらOKをクリックです。
レイヤを作る5
 レイヤが追加されました。ん?ぱっと見て他は何も変わっていませんよね、それもそのはず地物はこれから作るのですからね。

 つづく・・・

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